2019年11月10日
随分前の話ですが、「楢山節考」という映画が流行りました。
詳しい内容は忘れましたが、70歳を迎えた老人は山に捨てられる、という場面が印象に強く残っています。
特別養護老人ホーム「エクレシア南伊豆」という施設が、現代の「うば捨て山」なのかという議論が起こっています。
この施設は、東京都杉並区と静岡県南伊豆町が共同で2018年3月に開設しました。
社会福祉法人が運営し、整備費として19億円(定員90人)掛かりましたが、その内、杉並区が6億円、静岡県が4億円を負担しました。自治体の枠を超えた特養の整備は全国初ということで注目を集めました。
施設は杉並区から車で4時間もかかる、伊豆半島の南端に位置します。
杉並区としては、特養の用地が不足していて、高水準の待機者数を抱える解決策として、長年交流のある南伊豆町に用地を求めたということのようです。
個人的には理にかなった政策だと思いますが、そうは思わない人もいます。
「高齢者福祉は住み慣れた地域でという国の指針に反する」
「遠くて家族と疎遠になる」という理由のようです。
確かに住み慣れた家や家族の近くがいいのはわかりますが、現実的に東京都内に土地を購入して施設を建設するのは、予算的に厳しいと思います。
今後さらに高齢化が進み、待機者数も右肩上がりに増えていくことを考えれば致し方ないかと思います。
都会より田舎の方が空気もきれいで、のんびりした環境で過ごすのは、それはそれでいいのではないでしょうか。
私なら喜んでそういう環境に行くのですが。
皆さんはどう思われますか。
加藤 繁
税理士法人 森田経営
代表社員
昭和40年2月23日生
主な資格:税理士、行政書士
※ 現在、市役所、公民館、商工会議所等で経営・簿記・税金等の講師としても活躍中