2020年08月11日
「デジタル遺品」という言葉を知っていますか?
パソコンやスマートフォンなどのデジタル機器を通じてのみ把握できるデータのことです。
例えば、パソコン内に保存されているエクセルデータ、スマホで撮影された写真データ、ネット通販サイト・ネット証券といったインターネット・サービスのアカウント等です。
いずれも実体がなく、遺族による把握・管理が難しいものです。
デジタル機器には通常パスワードが設定されており、そのパスワードを他人はもちろん家族にも伝えてないことが多いのではないでしょうか。
もしデジタル機器の持ち主が突然亡くなってしまったら、どうなるのでしょうか。
ネット銀行やネット証券で取引していた事実を誰も知らなければ、そのまま放置されることになるかもしれません。
定期預金や株式取引なら定期的に残高報告書がメールで届くかもしれませんが、メールアドレスを知らなければ、いつまで放置されるのかわかりません。
私も宝くじで当たった3億円をネット銀行の普通口座に預けていますが、家族を含め誰にも伝えてません。
どこにも痕跡は残しておらず、すべて私の頭の中にあるだけです。
このような状況で突然、交通事故で亡くなったら、そのお金は永久に葬り去られるのでしょうか。
以前は紙幣という実体があるものや通帳という実物があったので、亡くなった後、家の中を探せば思わぬお金が発見されることもありました。
ネット社会になると、すべて仮想空間の中で実体がないものなので、ネット銀行・ネット証券の口座番号・パスワード等を残しておかないと面倒なことになりかねません。
「デジタル遺品」の管理が、今後重要になってくる時代になってきます。
私も早速、家族に伝えておきたいのですが、宝くじに当たった事実もなければ、3億円のお金もない、すべて私の頭の中の妄想(仮想空間)の話なのであしからずご容赦ください。
加藤 繁
税理士法人 森田経営
代表社員
昭和40年2月23日生
主な資格:税理士、行政書士
※ 現在、市役所、公民館、商工会議所等で経営・簿記・税金等の講師としても活躍中