2007年03月29日

正確なたな卸が必要な訳は

在庫と利益「200+1,000-900=300」という算術なら小学生がやっても正しくできるのですが、生きて動いている会社の商品倉庫の中では、この簡単なたし算やひき算がなかなか合いません。
 月首に200万円の在庫があり、そこへ今月1千万円の仕入をします。
 月末に倉庫に残っている商品を数えてみたら300万円ありました。すると倉庫から払い出されて売上に回された商品は「200+1,000-300=900万円」になります。この商品が1千100万円で売れていれば、会社は200万円のもうけという計算になるわけです。

 ところが、たな卸を誤って商品の一部を二重に数え、期末在り高330万円と計算してしまった場合はどうなるでしょう。払出高は「200+1,000-330=870万円」となり、利益は「1,100-870=230万円」と30万円増えて計算されます。つまり、期末たな卸高を実際より多く計算すれば、そのままの金額で利益が増えるわけです。もちろん誤りに気付かなければ税金も余計に払ってしまうわけです。逆にたな卸を少なく計算すれば、利益も減ってしまって、これまた経営管理上も税務上も、具合の悪いことが生じます。
 ただ、今月末30万円多過ぎたたな卸は、来月の期首在り高にそのまま引き継がれますから、来月の損益計算は利益が30万円本来より少なくなり、二期通算すればたな卸誤りによる影響は消えます。だからといって今月のたな卸が不正確でいいということではありません。影響は二ヶ月にわたって生じます。




 加藤 繁 
税理士法人 森田経営
代表社員

昭和40年2月23日生
主な資格:税理士、行政書士

※ 現在、市役所、公民館、商工会議所等で経営・簿記・税金等の講師としても活躍中

加藤 繁
税理士法人 森田経営
代表社員

昭和40年2月23日生
主な資格:税理士、行政書士

※ 現在、市役所、公民館、商工会議所等で経営・簿記・税金等の講師としても活躍中


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